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企業における健康診断の実施は義務?対象となる従業員や罰則などについても解説!

BLOG2021.07.07 [Wed]

企業は従業員の健康診断を実施する義務があります。健康診断を実施しなかった場合は罰則の対象になるため、注意が必要です。この記事では、企業に対して義務付けられている健康診断の種類や雇用形態ごとの健康診断の義務について解説します。健康診断を終えた後に企業が対応すべき内容についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

 

 

健康診断における企業の義務

 

 

労働安全衛生法第66条では、企業の義務として従業員に対する健康診断の実施を義務付けています。健康診断を実施する目的は、健康状態を把握して従業員の健康を守るためです。

 

健康診断で健康状態の問題が発覚した従業員がいる場合、医師の意見を踏まえて労働時間や就業場所の見直しなどを行わなければなりません。この義務についても労働安全衛生法第66条第5項で定められています。

 

参考:

労働安全衛生法に基づく健康診断の概要|厚生労働省

健康診断を実施しましょう|厚生労働省

 

 

 

義務づけられている健康診断の種類

 

 

企業が実施する必要があると義務付けられている健康診断は、一般健康診断と特殊健康診断の2つに大別できます。ここでは、それぞれの健康診断の詳細について解説します。

 

 

一般健康診断


一般健康診断としては、雇入れ時の健康診断、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、給食従業員の検便の5種類があります。それぞれの対象者と実施時期は以下のとおりです。

 

健康診断の名称

対象者

実施時期

雇入れ時の健康診断

常時雇用の従業員

雇入れ時

定期健康診断

常時雇用の従業員

年1回

特定業務従事者の健康診断

労働安全衛生規則第13条第1項第2号に該当する業務を担当する従業員

対象業務への配置替え時、6か月に1回

海外派遣労働者の健康診断

海外に6か月以上派遣される従業員

海外への派遣前、海外から帰国して国内で業務を開始する前

給食従業員の検便

給食業務を担当する従業員

雇入れ時、配置替え時

 

参考:

一般健康診断の項目一覧表|厚生労働省

 

 

特殊健康診断


特殊健康診断は、有害業務に従事する従業員が対象となる健康診断です。特殊健康診断、じん肺健診、歯科医師による健診の3種類があります。それぞれの対象者は以下のとおりです。

 

健康診断の名称

対象者

特殊健康診断

・有機溶剤業務に従事する従業員

・鉛業務に従事する従業員

・四アルキル鉛等業務に従事する従業員

・特定化学物質の製造・取扱業務に従事する従業員

・高圧室内業務または潜水業務に従事する従業員

・放射線業務に従事する従業員

・除染業務に従事する従業員

・石綿の粉塵発散場所での取扱業務に従事する従業員

じん肺健診

・粉じん作業に従事する従業員

・粉じん作業に従事した経験がある管理区分2・3の従業員

歯科医師による健診

塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄リンなどから発生するガス、蒸気、粉塵が発散する場所で業務に従事する従業員

 

参考:

特殊健康診断[安全衛生キーワード]|職場のあんぜんサイト

特殊健康診断 | 一般財団法人 全日本労働福祉協会

 

 

 

雇用形態ごとの健康診断の義務の有無

 

 

健康診断を実施する義務は、雇用形態によって違いがあります。ここでは、雇用形態ごとに健康診断の義務の有無について詳しく解説します。

 

 

正社員やパートなどの従業員


正社員に対しては、企業が健康診断を実施する義務があります。また、パートやアルバイトの従業員についても、一定の条件を満たしている場合は健康診断の実施が必要です。具体的な条件についてまとめると、以下のとおりです。

 

・期間の定めのない雇用契約を結んでいる、または1年以上の雇用期間が定められている

・同じ業務に従事している従業員の1週間の所定労働時間に対し、4分の3以上の労働時間となっている

 

雇用期間については、契約更新により1年以上雇用されているケースも条件を満たしていると判断されます。なお、同じ業務に従事している従業員の1週間の所定労働時間に対し、2分の1以上の労働時間となっている労働者についても、健康診断の実施が望ましいとされています。

 

参考:

各種健康診断について|厚生労働省

「Q16.一般健康診断では常時使用する労働者が対象になるとのことですが、パート労働者の取り扱いはどのようになりますか?」|東京都労働局

 

 

各種従業員の家族


企業が健康診断の実施義務を負う従業員の家族に対しては、健康診断を実施する必要はありません。健康診断を受ける必要があるのは、あくまでも企業から賃金を受け取っている従業員本人のみだからです。ただし、企業が加入している健康保険組合によっては、従業員の扶養家族を対象とする健康診断を行っている場合もあります。

 

参考:

各種健康診断について|厚生労働省

「Q16.一般健康診断では常時使用する労働者が対象になるとのことですが、パート労働者の取り扱いはどのようになりますか?」|東京都労働局

 

 

派遣社員や業務委託などの外部人材


派遣社員を雇用しているのは派遣会社であるため、派遣社員に対する健康診断の実施義務を負うのは派遣会社です。そのため、派遣社員の派遣先となっている企業は、派遣社員に対して健康診断を実施する必要はないとされています。また、業務委託で自社の業務の一部を依頼している相手についても、企業が健康診断を実施する義務はありません。

 

参考:

各種健康診断について|厚生労働省

「Q16.一般健康診断では常時使用する労働者が対象になるとのことですが、パート労働者の取り扱いはどのようになりますか?」|東京都労働局

 

 

 

健康診断実施後の義務

 

 

企業が健康診断を実施したら、その後にも対応すべきことがあります。ここでは、健康診断実施後の企業の義務について詳しく解説します。

 

 

健康診断結果の保管


従業員に対して健康診断を実施した後は、健康診断の結果を保管する義務があります。保管する期間は、健康診断の結果の個人表が作成されてから5年間です。ただし、健康診断結果の結果を保管するには、従業員の同意を得る必要があります。就業規則に健康診断の結果の保管について明記しておき、雇入れ時にあらかじめ確認してもらうとスムーズです。

 

参考:

健診結果等の保存期間について(現状)|厚生労働省

 

 

従業員への健康診断結果の報告


健康診断を実施したら、従業員に対して結果を報告する必要があります。たとえ結果に問題がない場合でも、健康診断を受けた従業員全員に通知しましょう。そのうえで、結果に問題がある従業員は改めて医師から意見を聞き、今後の体調との向き合い方や働き方について相談します。

 

:参考:

健康診断を実施し、事後措置を徹底しましょう|厚生労働省

 

 

所轄労働基準監督署長への報告


従業員を常時50名以上雇用している企業は、従業員が受けた健康診断の結果を所轄の労働基準監督署に報告する義務もあります。

 

ここでいう従業員にはアルバイトやパートなども含まれているため、注意が必要です。法律で義務として定められている健康診断の対象にならないアルバイトやパートなども含まれており、健康診断の対象者が少ない場合でも労働基準監督署への報告義務が発生する可能性があります。

 

:参考:

健康診断を実施し、事後措置を徹底しましょう|厚生労働省

 

 

 

健康診断の費用を負担するのは企業

 

 

法律で義務付けられている健康診断の費用は、企業が負担します。健康診断は医療保険の対象にはならず、医療機関によって料金はさまざまです。従業員が各自医療機関で受診するのか、特殊車両を手配して従業員に受診させるのかによっても料金は変化するでしょう。

 

また、基本的な健康診断に加えてオプション検診を受けられる医療機関もあります。従業員が希望する場合、オプション検診の料金については従業員が自己負担します。

 

参考:

健康診断の費用は労働者と使用者のどちらが負担するものなのでしょうか?|厚生労働省

 

 

 

健康診断を実施しなかった際の罰則

 

 

企業が従業員に対して健康診断を実施しないと、罰則の対象になります。具体的には、労働安全衛生法第120条により50万円以下の罰金が科される可能性があります。健康診断の結果の記録や通知、都道府県労働局長の指示による臨時の健康診断の実施などを怠った場合も同様です。

 

また、従業員の健康診断に関する情報が漏洩した場合、労働安全衛生法第119条により6か月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金を科される恐れがあります。健康診断の結果は、適切に管理しましょう。

 

さらに、従業員が健康診断を拒否した結果、本人の健康に問題が生じると、労働契約法第5条の安全配慮義務違反になる恐れがあります。

 

参考:

労働安全衛生法

労働安全衛生法に基づく健康診断の概要|厚生労働省

 

 

 

まとめ

 

 

一定の条件を満たす従業員に対しては、企業が健康診断を実施する義務があります。結果の報告や通知などにも対応する必要があるため、法律に則って計画的に健康診断に取り組まなければなりません。また、雇用形態によっても健康診断を実施する義務があるかどうかが変わってくるため、対象となる従業員をよく確認しましょう。

 

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